メールマガジン「和服の基礎知識」バックナンバー〈010〉 |
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○ ●○● 和服の基礎知識 ●○● 〜日本文化を愉しむために〜 ○
● 第10号 2003/11/06発行 ●
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【単衣・袷・綿入れ】(ひとえ・あわせ・わたいれ)
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◆単・単衣(ひとえ)
裏がついていない和服。初夏から初秋に着ます。
盛夏には薄い生地の絹の紗・絽、麻(あさ)などの「薄物(うすもの)」を
着ます。
浴衣は木綿の単衣で、夏の家庭着になります。きちんとした街着ではありま
せんが、気軽な祭りなどには着ていけます。
ただし裏のない単衣でも、ウール(毛織物)は冬の普段着になります。
◇紗(しゃ)
生糸を絡織(からみおり)にした、織目が粗く軽く薄い絹織物。
◇絽(ろ)
一定間隔を置き隙間を作るようにして織った絹織物。
絡織(からみおり)の一種。紗と平織を組み合せた組織の織物。
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◆袷(あわせ)
裏をつけた着物。一般に秋冬春(十月〜翌年五月)に着ます。
裏地は、男物は「通し裏」、女物は「裾回し(すそまわし)」と「胴裏」を
付けます。「裾回し」は長着の裾の内側につける裏布で「八掛(はっかけ)」
とも言います。
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◆綿入れ(わたいれ)
裏をつけて、中に綿を入れて暖かくした、冬の衣服。
近年は住宅や暖房設備がよくなり、綿入れを着なくても寒さをしのげるよう
になり、長着に綿入れする習俗は昭和十年頃に廃れました。
現在は日常着の上着(半天・丹前)に使われるぐらいです。
昔は冬(陰暦十月〜三月)になると袷の着物に綿を入れて、春に綿を抜いて
また袷に戻しました。
「四月朔日」と書いて「わたぬき」と読む苗字があります。
これは陰暦四月朔日(一日)の衣更え(ころもがえ)で「綿入れ」から綿を
抜いて「袷」にした習慣からできた読み方です。
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◆陰暦(江戸時代)
春(一月〜三月)夏(四月〜六月)秋(七月〜九月)冬(十月〜十二月)
四月一日と十月一日が衣更え(夏物←→冬物)
盛夏(六月・七月)は薄物(うすもの/絹)、帷子(かたびら/麻の単衣)
十 十
一 二 三 四 五 六 七 八 九 十 一 二
月 月 月 月 月 月 月 月 月 月 月 月
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綿入れ │ 袷│ 単衣 │袷 │ 綿入れ
◇ ◇五月五日 ◇九月一日
◇四月一日 ◇十月一日
(衣更え) (衣更え)
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◆現代の暦
袷………十月中旬〜翌年五月初旬
単衣……五月中旬〜六月、九月〜十月初旬
薄物……七・八月
十 十
一 二 三 四 五 六 七 八 九 十 一 二
月 月 月 月 月 月 月 月 月 月 月 月
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袷 │ 単衣 │ 薄物 │単衣 │ 袷
●ごあいさつ●…………………………………………………………………………
こんにちは。マガジンのご登録ありがとうございます。
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訂正連絡です。
前回10/30発行分のメール件名が「第0号」になっていました。
正しくは第9号です。おわびして訂正します。
●参考文献●……………………………………………………………………………
『花の大江戸風俗案内』菊地ひと美〈ちくま文庫〉 ISBN4-480-03776-4
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4480037764/dearbooks-22
♪江戸時代の服装や髪型、住居などをイラストと文章でわかりやすく
解説した本です。
パステル調の渋めでやわらかい色で、江戸時代の風俗画を参考にした
やさしい線のイラストが非常に見やすいです。
身分や季節による着る物の違いもまとめてあります。
『新訂国語総覧』京都書房 ISBN4-7637-0107-X
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/476370107X/dearbooks-22
♪高校生用の国語の参考書です。古典・現代文・中国文学に関する項目を
カラー図版を駆使して解説しています。
平安時代〜昭和期の衣裳や調度、年中行事の一覧などがまとめてあり、
高校生以外でも役に立ちます。
『日本の苗字ベスト30000』別冊歴史読本 ISBN4-404-03040-1
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4404030401/dearbooks-22
♪これで調べると「四月朔日」さんより「綿貫」さんの方が確実に多いですね。
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