メールマガジン「和服の基礎知識」バックナンバー〈041〉 |
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○ ●○● 和服の基礎知識 ●○● 〜日本文化を愉しむために〜 ○
● 第41号 2004/06/24発行 ●
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【浴衣】(ゆかた)
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◆浴衣(ゆかた)
入浴後、または夏季に着る木綿の単衣(ひとえ)。
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近世以前、蒸風呂での入浴の際着用した麻でできた湯帷子(ゆかたびら)の略。
江戸時代以後は湯帷子を用いず、現在のように裸で風呂に入るようになりまし
た。風呂から出た後に着る木綿の単衣を「浴衣」というようになり、暑い季節
の外出にも着るようになりました。
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浴衣の形は普通の着物と同じです。
女物は振りのある普通の袂袖、おはしょりあり。
男物は人形のある普通の袂袖、対丈。
子供物は肩揚げ・腰揚げして腰紐を縫いつけ、
女児は袂の長い長袖や袂の丸い元禄袖、男児は船底袖。
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◇現代の浴衣の、普通の着物と違う点。
(1) 長襦袢をつけない。
普通の着物は、長襦袢につけた半衿を衿元からのぞかせます。
浴衣の下は、長襦袢を着ずに肌襦袢(肌着)なので、半衿はありません。
(2) 足袋をはかない。
履物も、草履ではなく下駄です。
女物は、塗りの駒下駄、小町下駄などが多いです。
男物は、桐下駄など。
(3) 帯の締め方が簡素。
帯揚げや帯締めが不要です。
女物は半幅帯、兵児帯を締めます。
結び方は「貝の口」「文庫結び」など。
男物は、兵児帯の「片わな結び」、角帯の「貝の口」「片ばさみ」など。
子供物は兵児帯で「両わな結び(リボン結び・蝶結び)」など。
素材は木綿。着物用に織られた反物以外にも、洋服地で作ることもできます。
浴衣の伝統的な柄は、白地に藍染めの模様、または藍染め地に白抜きの模様、
藍染めの絞りなど。
近年はいろんな色柄や格子・縞の浴衣があります。
全体に模様が散らしてある「総模様」が一般的です。
留袖のような裾模様、訪問着のような絵羽模様はまずありません。
模様のない無地の浴衣は基本的にありません。
自分で作るのは自由ですが、市販品ではまず見かけません。
浴衣はあくまで普段着ですので、お祭りには着ていけますが、正式な場には
着ていけません。夏季のきちんとした外出には、絽や紗の単衣を着ます。
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◆ねまき浴衣
旅館や民宿で貸してもらえる「浴衣」は「ねまき(寝間着・寝巻)」であり、
外出着の浴衣とは別物です。
ねまき浴衣は、形が普通の着物・浴衣とかなり違います。
男女とも袖が筒袖で、おはしょりのない対丈です。
丈は内揚げして調整しています。
素材は木綿。家庭用のねまきだと夏物はガーゼ、冬物はネルもあります。
肌襦袢をつけず素肌の上に直に着ます。
ねまきの帯は、着物の帯より細く柔らかい腰紐や伊達締めを使います。
普通の着物の帯は身体の後ろで結びますが、
ねまきは身体の左右どちらかの前脇で、蝶結びなどで簡素に結びます。
ねまき浴衣は、よそゆき浴衣に比べて柄が地味です。
基本は白地に藍色で柄を染めてあります。
●ごあいさつ●…………………………………………………………………………
こんにちは。マガジンのご登録ありがとうございます。
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専門用語ばりばり出てきます。全部今までのバックナンバーで説明しています。
バックナンバーはこちら。
http://backno.mag2.com/reader/Back?id=0000116269
そろそろいつ何を書いたのか探すのが大変になってきました。
ウェブログにバックナンバーを書き込んで、キーワード検索できるように
しようか画策中。
前回発行時、登録部数が378件増えて、
今週のまぐまぐの「部数増加ランキング」にも登場しました。
●参考文献●……………………………………………………………………………
『新訂版 [上手に縫える]着物の仕立て方』
野村辰雄〈有紀書房〉 ISBN4-638-00566-7
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4638005667/dearbooks-22
◇本格的な和裁の手引き。
浴衣は「単衣長着木綿物」参照。
『手作りのゆかたと甚平—ヤング・ミセス・メンズ・子供』
レディブティックシリーズ no.2157〈ブティック社〉
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4834721574/dearbooks-22
◇女物、男物、子供もののゆかた・甚平の作り方と着付け。
反物だけでなく、洋服地からの用尺の裁ち方も説明しています。
『ゆかた美人になる本−着たことなくても乙女ちっく−』
笹島寿美〈講談社〉
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4061483498/dearbooks-22
◇著者は和服の着付けの先生。
男女の浴衣の着付けを丁寧に説明しています。(子供物はなし)
藍染の工場の見学記(写真入)など、読み物としても面白い本です。
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