メールマガジン「和服の基礎知識」バックナンバー〈018〉 |
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○ ●○● 和服の基礎知識 ●○● 〜日本文化を愉しむために〜 ○
● 第18号 2004/01/08発行 ●
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【紐の結びの基本】(ひものむすびのきほん)
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◆「結び」の構成
◇手(て)…紐の先。紐の端。結び目を作るとき動かす部分。
◇目(め)…紐が交わる場所。結びこぶができる部分。
◇体(たい)…紐の本体。結び目を作るとき動かさない部分。
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◆ひと結び・一結び(ひとむすび)
「ハーフ・ヒッチ」とも言う。
最も基本的な結び方。
紐の両端を1回ねじってからみ合わせる。
/\ /\ / /
\ \/ \/ /
\/ /\/ /←目
/ /\/ /\ /\
/ /\ /\ \/ /←手(紐の端)
/ / \/ \ /
/ /←体(紐の本体)\/
◆とめ結び・止め結び・留め結び(とめむすび)
「一重結び(ひとえむすび)」「オーバーハンド・ノット」とも言う。
紐で作った輪に紐の端を差し込んで、引き締めて結び目(こぶ)を作る。
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/ \/ \
/ /\ \\ \
/ / /\ \\ \
\ \/ /\ \\ \
\/ / \ / /
/ /\ / /
/ /\ \ / / \
/ / \ ‾ / \ \ ←手(紐の端)
/ / ‾‾‾ \/
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■結びの種類
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◆こま結び・細結び・小間結び(こまむすび)
「真結び(まむすび)」「本結び(ほんむすび)」「結び切り(むすびきり)」
「スクエア・ノット」とも言う。
上から見ると、矢羽根のような対照的な形になる。
一度強く締めると固く締まる。
ただし、一方の紐にだけ力が加わると、ほどけやすい。
(1) 紐の手をひと結びする。
(2) 紐の手を同じ場所で反対向きにひと結びして引き締める。
〈こま結び〉
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/ \/\ \
| \ \/| │____
_____|/ \ ‾| │____
_______/‾‾| │
| | | │
‾‾‾‾‾‾\ __| │____
‾‾‾‾‾\ / _| │____
| / /\| │
\ / \/ /
‾ ‾
引き締めると↓↓のようになる
/|\
‾‾‾‾‾\| │‾‾‾‾
‾‾‾‾‾/| │‾‾‾‾
‾‾‾‾‾\|/‾‾‾‾
◆縦結び(たてむすび)
ある方向にひと結びした紐の手を、同じ場所で同じ向きにからめる結び方。
結び目が斜めになったり 縦になったりする。見た目も悪いし、ほどけやすい。
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◆わな結び・輪奈結び(わなむすび)
「蝶結び(ちょうむすび)」「両輪結び(もろわなむすび)」「諸羂(もろわな)」
「はな結び」「リボン結び」「結び留め(むすびどめ)」「ボウ・ノット」
とも言う。
輪を二つ作る結び方。一般には「蝶結び」と呼ぶ。
「蝶結び」はもっと複雑な文様結びを指す場合もある。
紐の体を引っぱってもほどけにくいが、紐の先を引っぱると簡単にほどける。
縦結びにするとよけいにほどけやすい。
(1) 紐の手を長めに取り、ひと結びする。
(2) 片方の手(A)の中間をは折り返して輪を作る。
(3) もう片方の手(B)を(A)の輪の上からからめ、小さい輪を作る。
(4) (3)でできた小さい輪に(B)の中間部を折り返した部分をくぐらせる。
(3) (A)(B)の折り返した部分を引いて締めて、輪を二つ作る。
※どちらかの紐の端を引くと、簡単にほどける。
◆片結び(かたむすび)
「片わな結び」「片はな結び」「片蝶結び」「ドロー・ノット」とも言う。
「ハーフ・ヒッチ(ひと結び)」を直訳して「片結び」と呼ぶこともあるが、
一般には輪を一つだけ作る結び方のこと。わな結びの変形。
わな結びより簡単にほどける。
(1) 片方の手を長めにとって、ひと結びする。
(2) 長い方の手の中間を折り返して輪を作る。
(3) もう片方の手を輪の上からからめ、巻き込む。
(4) 長い方の手の輪と、(3)で通した手を引いて締める。
※長い方の紐の端を引くと、簡単にほどける。
〈別のやり方〉※マガジンに追加
(1) 片方の手を長めにとって、ひと結びする。
(2) 短い方の手に、長い方の手をからめて小さい輪を作る。。
(3) 長い方の手の中間を折り返し、(2)で作った輪に半分くぐらせる。
(4) くぐらせた折り返しと、短い方の手を引いて締める。
※長い方の紐の端を引くと、簡単にほどける。
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◆ひばり結び・雲雀結び(ひばりむすび)
「カウ・ヒッチ」とも言う。
紐を、他の紐や固い棒などに巻きつけて留める結び方。
紐を木に結びつけたり、羽織の紐、吊り手、袋物のこはぜ、ストラップを
取り付けるときに用いる。
(1) 紐を折りたたんで輪を作る。
(2) 輪を結びつける紐や棒にひっかける。
(3) 結びつける対象を巻き込んで、紐の手を輪にくぐらせ、引き締める。
※紐の片方に大きな荷物が付いている場合、荷物の付いていない端だけを
この結び方になるようにくぐらせるやり方もある。
〈ひばり結び〉
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───\\────//────
\\ // ←結びつける対象
────││─││──────
│└────┘│←紐の輪
└──────┘
││ ││←紐本体
││ ││
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◆テグス結び・天蚕糸結び(てぐすむすび)
「フィッシャーマンズ・ノット」とも言う。
テグス(釣り糸)やロープを結ぶのに用いる。
強度が非常に強く、結び方も簡単。
(1) 一方の紐の手を、もう一方の紐にからませてとめ結びする。
(2) もう一方の紐の手も、相手の紐の元にからませてとめ結びする。
(3) 両方の紐の体を引いて締め、二つの結び目を隣り合わせる。
◆機結び(はたむすび)
糸と糸とを結合する結び方の一種。機糸・縫い糸などを結びとめる結び方。
「織工結び(しょっこうむすび)」とも言う。
左右の紐を折り曲げて作った輪に、互いの先をくぐらせ、引き締めて結ぶ。
●ごあいさつ●…………………………………………………………………………
あけましておめでとうございます。マガジンのご登録ありがとうございます。
本年もお付き合いのほどよろしくお願いいたします。
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帯の話をする前に、基本的な結び方の知識を整理しました。
普段何気なく結んでいる仕草も、あらためて文字にするのはなかな難です。
「ひばり結び」なんて、結び方は知っているのに名称は知りませんでした。
テグス結びと機結びは、着付けには直接関係ありませんがおまけです。
少し前に他のメールマガジンでテグス結びの事を調べたときは、出来上がり
図だけ見てもなんだかよくわかりませんでした。今回ロープの結び方の本を
調べて、「とめ結びを2回」と自分なりに整理したらやっと結び方を理解
できました。
●参考文献●……………………………………………………………………………
『日本史モノ事典』〈平凡社〉P172〜
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4582124208/dearbooks-22
◆ロープの結び方は「ロープワーク」で検索すると、いろんなサイトで
説明されています。書店・図書館ではアウトドア関係の棚に置いてあります。
『ひもとロープ 暮らしに役立つ結び方事典』羽根田治〈池田書店〉
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4262160068/dearbooks-22
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