メールマガジン「和服の基礎知識」バックナンバー〈001〉 |
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○ ●○● 和服の基礎知識 ●○● 〜日本文化を愉しむために〜 ○
● 創刊号 2003/09/04発行 ●
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【衽】(おくみ)
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◆衽(おくみ)
和服の前幅を広く作るために、前身頃(まえみごろ)に縫いつける細長い布。
「袵」とも書く。
おくみは前身頃の半分の幅で作ります。
◇衽幅(おくみの裾の幅)×2=前幅(前身頃の幅)
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〈右〉 〈左〉
/\‾‾‾/\ ←衿(えり)
‾‾\ \ / /‾‾‾
\ / /
| / / |
| /\/ |
| / /| |
|/ / | |
衿先→\/ | |
||←─→| |
||合褄幅| |
褄→| | |
|| |まえみごろ|
|| |(前身頃)|
|| | |
||おくみ| |
||(衽)| |
|| | |
||衽幅 | 前幅 |
||←─→|←───→|←裾
└┴───┴─────┘←裾線
↑ ↑
| 衽線(おくみせん)
褄先(つまさき)
※褄(つま)…衿先から下の、おくみの縁(へり)の部分
「褄下(つました)」、「衿下(えりした)」とも言う。
※褄先(つまさき)…褄と裾線が交わる部分。
▽爪先(つまさき)…足または手の指の先。「褄先」とは別の言葉。
※合褄幅(あいづまはば)…衿先のところで計る、おくみの幅。
裾の衽幅(おくみはば)より1〜2cmほど狭い。
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前身頃とおくみを縫い合わせた線を「衽線(おくみせん)」といいます。
おくみ線が身体の前中心を一直線に通るように着付けます。
褄(つま/衽の衿先から下のへりの部分)は、身体の右側に来ます。
着物の前身頃と後ろ身頃は、肩でつながった1枚の布でできています。
おくみが付いていないと、身体の左右半分ずつしか覆えません。
前身頃にをおくみを付けることで、着物の前を深く合わせることができるよう
になり、着崩れしにくくなります。
着物に慣れていない人が描くと、
衿とおくみを混同している絵も見受けられます。
長襦袢では、おくみを付けずに、衿を裾まで伸ばす仕立て方もあります。
●ごあいさつ●…………………………………………………………………………
こんにちは。はじめまして。
当マガジンの発行者、詞己(しき)と申します。
『和服の基礎知識』創刊号をお読みいただき、ありがとうございます。
私自身は和服を着る機会はありませんし、詳しいとは言い難いです。
それでも和服に慣れていない人が書く絵や文章で
「それは絶対おかしいでしょう」という描写を見かけると、
解説したくなります。
このメールマガジンでは、和服の常識をアスキーアートで図解しながら
やさしく興味がもてるように説明していこうと思っています。
基本的に、現代使われている和服の用語を取り上げます。
できれば、江戸時代から昭和三十年代の日本人の着物の時代考証をしたいと
目論んでいます。
どうぞお気楽におつきあい下さい。
●参考文献●……………………………………………………………………………
『新訂版 [上手に縫える]着物の仕立て方』
野村辰雄〈有紀書房〉 ISBN4-638-00566-7
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4638005667/dearbooks-22
◇着物の構造が着付けの本では解り難いので、和裁の本を買ってしまいました。
B5サイズ264ページで1,380円とは、思ったより安い。
基本的な肌襦袢、長着から、羽織や帯、子供物の仕立て方まで
図を使って説明しています。
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