□—————————————————————————————————□
………………………………………………………………………………………
『彩識風信』 第48号《カーキー・国防色》
……………………………………………………………2003/10/07発行………
□—————————————————————————————————□
◆カーキー(khaki)
◇ 色見本 ◇
マンセル:1Y 5/5.5
RGB値:#92723A
CMYK:C0 M25 Y60 K35
◇くすんだ赤みの黄〈JIS系統色名〉
茶色がかった黄色。
もとはヒンディー語で「土埃(つちぼこり)」「泥土色」の意。
日本では「カーキ色」とも言う。
◆国防色(こくぼうしょく)
◇ 色見本 ◇
マンセル:5Y 4.5/4
RGB値:#776A3B
CMYK:C0 M20 Y70 K60
◇暗い黄。カーキーより少し緑色がかった黄茶色。
旧日本陸軍の軍服の色。
◆ ◇ ◆
《カーキ色の軍服》
19世紀末、インドに駐留していたイギリス軍が、現地で入手できる
暑い気候に適した布で軍服を作りました。
布のくすんだ黄茶色は、現地の言葉で「カーキー」というのを
そのままイギリス人も使いました。
カーキ色が戦場で目立ちにくいことから、
第一次世界大戦勃発の頃(1914〜1918)には多くの国が
この系統のくすんだ色調を陸軍軍服に採用しました。
日本陸軍でも日露戦争の翌年、明治39年(1906)からは
軍服の色が土色に近い茶褐色に変わりました。
昭和9年(1934)陸軍省が陸軍軍服の色を「国防色」と定め、
被服統一運動を始めました。
昭和15年(1940)に「大日本帝国国民服令」が制定され、
一般男子も「国民服」と呼ばれる国防色の軍服風の服を強要されていきます。
◆ごあいさつ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
こんにちは。マガジンの登録ありがとうございます。
◆ ◇ ◆
「カーキー」のもとの言葉、「ヒンディー語」と「ウルドゥー語」という
二説あります。
「ウルドゥー語」はヒンディー語の方言にペルシア、アラビア語が
混じった言葉だそうです。
◆参考文献 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
『新版 色の手帖』永田泰弘:監修(小学館)
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4095040025/dearbooks-22
『色々な色』ネイチャー・プロ(光琳社出版)
※現在は角川書店より『色の名前』と改名して刊行
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4048836226/dearbooks-22
『日本の傳統色 その色名と色調』長崎盛輝(青幻舎)ほか
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4916094530/dearbooks-22
◆おまけ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
◇ビジュアルディクショナリー 7『軍服』〈同朋舎出版〉
古代から現代の世界中の軍服・軍装を写真で図解。(現在品切れ)
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4810417735/dearbooks-22
◇『日本の軍装〔改訂版〕』中西立太〈大日本絵画〉
昭和初期の旧日本軍の軍装をカラーイラストで解説しています。
軍服、外套のほか、装備や徽章(きしょう)も詳しく描かれています。
日本語と英語の注釈付き。
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4499205875/dearbooks-22
……………………………………………………………………………………………
|