メールマガジン「彩識風信」バックナンバー〈043〉

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               『彩識風信』 第43号《漆黒》
 ……………………………………………………………2003/09/02発行………
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◆漆黒(しっこく)
 ◇ 色見本 ◇
 マンセル:N1
    RGB値:#212121
     CMYK:C50 M50 Y0 K100
 ◇黒漆を塗ったように、艶のある黒色。真っ黒。

ウルシ(漆)はウルシ科の落葉高木。さわると、かぶれる。
実から蝋(ろう)を取って和蝋燭を作る。
幹に傷をつけて樹液を取り、塗料を作る。その塗料も「漆」と呼ばれる。
天然樹脂である漆は固まると耐久性にすぐれ、見栄えもするので、
古くから食器や工芸品の表面仕上げに使われる。

ウルシの樹液から不純物を抜いた、薄茶色の「生漆(きうるし)」、
生漆に鉄分と柿渋を混ぜた「黒漆(くろうるし)」、
生漆に朱色の顔料を混ぜた「朱漆(しゅうるし)」などがある。

             ◆ ◇ ◆

《漆黒の闇》

艶やかな黒漆のような闇。
一面に墨を流したような闇。

自分を包み込む深い闇に対して、恐れと美しさを称えた言い回しです。

「漆黒」は髪や瞳の形容にも使われます。
これも誉めことばです。

英語では「漆黒の髪」は "jet black"、"coal black"(石炭のような黒)、
「漆黒の闇」は "pitch dark"、"pitch black"(石油ピッチのような黒)。

黒漆と石油ピッチ。真っ黒で、固まる前はどろっとしていて、
固まると表面が艶やかになるという点では似ているように思います。

◆ごあいさつ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥

 こんにちは。マガジンの登録ありがとうございます。

 まぐまぐで、当マガジンの説明文に書いた「漆黒の闇」、
 一年近く経て、ようやく消化できました。
 これを片付けないと連載を終われませんので気にしていました。

             ◆ ◇ ◆

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[2004/01/12]
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