メールマガジン「彩識風信」バックナンバー〈033〉

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               『彩識風信』 第33号《浅葱色》
 ……………………………………………………………2003/06/17発行………
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◆浅葱色(あさぎいろ)
 ◇ 色見本 ◇
 マンセル:2.5B 5/8
    RGB値:#00859B
     CMYK:C82 M0 Y30 K11
 ◇あざやかな緑みの青〈JIS系統色名〉
 ◇若いネギ(葱)の葉のような色。緑がかった水色。
  古くは「浅黄色」と書き、現在より緑や黄の強い薄青色を指していたとも
  言われる。

             ◆ ◇ ◆

《浅葱色のだんだら羽織》

新選組の揃いの隊服。

新選組は、幕末の京都で浪士を集めて反幕府勢力の鎮圧にあたった警護隊です。
文久三年(1863)結成。明治維新で幕府の敗走とともに瓦解。
隊員の一部は五稜郭の戦いまで参戦しますが、
明治二年(1869)官軍に降伏します。

「だんだら(段だら)」は横縞がいくつも重なったような図柄。
新選組の隊服は、浅葱色の羽織の袖口に白い三角が並べられたものです。

江戸時代、江戸勤番の田舎侍が着物の裏に浅葱木綿を用いたことから、
「浅葱裏」は気の利かない田舎侍をさし、
野暮・無粋の代名詞として吉原遊郭などでは馬鹿にされてました。

野暮の代名詞の「浅葱色」をあえて選んだのは、
忠臣蔵の赤穂浪士の討ち入り装束を真似たためだそうです。
赤穂浪士が浅葱色の衣裳を揃えたのは、
切腹のときに着る死装束を念頭においてのことでした。

浅葱色のだんだら羽織が新選組の隊服だったのは
隊結成の翌年の池田屋事変あたりまでで、
その後は「黒衣、黒袴」の黒づくめが新選組の目印になりました。

(参考文献『新選組実録』相川司/菊地明(ちくま新書))

◆ごあいさつ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥

 こんにちは。マガジンの登録ありがとうございます。

             ◆ ◇ ◆

 「しんせんぐみ」は「新選組」とも「新撰組」とも書きます。
 どちらも正しい表記です。
 しかしある本で「撰」よりも「選」の方が、よりすぐれた者を選び出す
 という意味が強いという意見を読んでから、
 個人的には「新選組」と書くようになりました。

 黒づくめの新選組というと、
 映画「御法度」のワダ・エミがデザインした黒装束が素敵でした。

 来年のNHK大河ドラマが三谷幸喜脚本の「新選組!」だそうです。
 三谷さんの脚本は大好きですけど、一般受けするか心配です。
 しかし視聴率のために視聴者に媚びるのも嫌です。

◆おまけ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥

上で紹介した本は以下から購入できます。

◇『新選組実録』相川司/菊地明(ちくま新書)
 1996年8月初版
 新選組の結成から函館陥落までを、わかりやすくまとめた資料です。
 時期ごとの隊の編成表もついていて、手頃な参考書としておすすめします。

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4480056785/dearbooks-22

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[2003/12/01]
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