メールマガジン「彩識風信」バックナンバー〈028〉

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               『彩識風信』 第28号《山吹色》
 ……………………………………………………………2003/05/13発行………
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◆山吹色(やまぶきいろ)
 ◇ 色見本 ◇
 マンセル:10YR 7.5/13
    RGB値:#F8A900
     CMYK:C0 M35 Y100 K0

 ◇あざやかな赤みの黄〈JIS系統色名〉
 ◇ヤマブキ(山吹)の花のような色。橙色に近い黄色。
  ヤマブキ(山吹)はバラ科の落葉低木。春、黄金色の五弁花を開く。

             ◆ ◇ ◆

《山吹色のお菓子》

山吹色は黄金の色にも例えられ、金で作られた大判小判の隠語となり、
転じて一般に金銭を指します。

時代劇で、悪人が密かに賄賂を贈る際、
《山吹色のお菓子》と称して、
菓子箱の底に大判小判の束を隠すのはお約束の展開です。

             ◆ ◇ ◆

《七重八重花は咲けども》

四百年前に江戸幕府を開いたのは徳川家康ですが、
さらに昔、最初に江戸城を作ったのは太田道灌(おおたどうかん)です。

道灌が若い頃、狩りの途中で雨に降られました。
困ったところでひなびた家を見つけ、
雨をしのぐ蓑(みの)を貸してくれるよう頼みました。
ところがその家から出てきた若い女は何も言わずに
山吹の一枝を差し出すだけでした。

腹を立てた道灌が、後日他人にこのことを語ると、
意外な意見が返ってきました。

「七重八重花は咲けども山吹の実の一つだになきぞ悲しき」
という有名な古歌にかけて、
山吹がたくさん花が咲いても「実がない」ように、
私にはお貸しする「蓑がない」という返事だったのです。

無知を恥じた道灌はその後、和歌の勉強を励みました。

  「山吹の花」—常山紀談—湯浅常山
  高校の国語の教科書に載っていた話です。

◆ごあいさつ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥

 こんにちは。マガジンの登録ありがとうございます。

             ◆ ◇ ◆

 今の季節はいろんな花が咲き乱れています。
 取り上げたい花の色がたくさんあります。
 夏になるまでに、がんばって解説します。

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[2003/11/04]
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