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『彩識風信』 第22号《苺色》
……………………………………………………………2003/04/01発行………
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◆いろことば(20) 《苺色…いちごいろ》‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
◇ 色見本 ◇
マンセル:10RP 4/10
RGB値:#A23A54
CMYK:C0 M70 Y35 K30
◇つよい紫みの赤。イチゴ(苺)の実のような色。
現在イチゴとして食べられる果物はバラ科の多年草の「オランダイチゴ」。
南米原産の園芸種で、日本には江戸時代末にオランダ経由で輸入され、
明治時代になってから普及しました。
◆ ◇ ◆
◆類似色《ストロベリー(strawberry)》
マンセル:1R 4/14
RGB値:#BB004B
CMYK:C0 M90 Y40 K10
◇あざやかな赤〈JIS系統色名〉
◇イチゴ(苺)の実のような色。「苺色」より赤みが強い。
◆ ◇ ◆
《苺色のリボン》
♪ バラの花咲き乱れる丘を 逃げてゆく苺色のリボン
「あの娘がほしい」(あのこがほしい)
(歌:The 東南西北(とんなんしゃあぺい)/作詞:松本隆/作曲:久保田洋司)
この歌詞だけで軽やかに駆けてゆく少女の姿を思い浮かべることができます。
髪を飾るリボンか、服に結んだリボンかわかりませんが、
こんなかわいい色で身を装えるのは少女の時期だけでしょう。
大人には甘ったるすぎます。
◆ ◇ ◆
《ストロベリー・ブロンド》(strawberry blond (blonde))
赤みがかった金髪の人(女性)。
《ブロンド》は単に「金髪」のことでなく、
「金髪で瞳が青い白人」のことです。
「ブロンド」は名詞の場合、
男性には"blond"、女性には"blonde"を用いるのが一般的。
形容詞では男女いずれの場合も"blond"が普通です。
◆ ◇ ◆
手元の古い英和辞典には載っていないので新しい言葉かと思ったら、
1941年製作のアメリカ映画に"STRAWBERRY BLONDE"(邦題『いちごブロンド』)
がありました。ジェームズ・キャグニーが主人公、リタ・ヘイワースが
いちごブロンドの町一番の美女を演じるラブ・コメディです。
リタ・ヘイワースはこの作品の後から人気が出て、
1940年代のハリウッドのセックス・シンボルと呼ばれた映画女優です。
映画『ショーシャンクの空に』(原作はスティーブン・キングの小説
「刑務所のリタ・ヘイワース」)の中で、主人公が刑務所の独房に
彼女のポスターを貼るシーンがあります。
リタ・ヘイワースの『ギルダ』(1946年)のポスターのカラー画像が
こちらでご覧になれます。
「Sony Pictures Online」
http://www.spe.co.jp/cinemaparadise/11/1.html
なるほど、この髪色を"STRAWBERRY BLONDE"というのは上手い言い回しですね。
写真によって、リタの髪はもっと濃く見えるときもありますが。
◆ごあいさつ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
こんにちは。マガジンの登録ありがとうございます。
◆ ◇ ◆
「苺色の髪」というと『レッド』というアメリカのハーレクイン小説を
思い出します。
日本で漫画化されて女性週刊誌に連載され、テレビドラマになったので
わりと話題になった小説です。
連載漫画を読んでいたのですが、主人公がコンプレックスを感じている赤毛を、
「きれいなストロベリー・ブロンド」(ストロベリー・レッドだったかな)と
誉めてもらうシーンがあったと思います。
日本でドラマ化されたとき登場人物を日本人に置き換えたのですが、
主人公の思いっきり人工的な赤い髪の毛は驚かされました。
◆参考文献 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
『新版 色の手帖』永田泰弘:監修(小学館)
『色々な色』ネイチャー・プロ(光琳社出版)※現在は角川書店より刊行
『日本の傳統色 その色名と色調』長崎盛輝(青幻舎)ほか
◆おまけ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
上で紹介した映画が収録されたDVDは以下から購入できます。
◇「ショーシャンクの空に」
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B00005HYWQ/dearbooks-22
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