メールマガジン「彩識風信」バックナンバー〈019〉

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               『彩識風信』 第19号《萌黄色》
 ……………………………………………………………2003/03/11発行………
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◆いろことば(17) 《萌黄・萌木…もえぎ》‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
 ◇ 色見本 ◇
 マンセル:4GY 6.5/9
    RGB値:#97A61E
     CMYK:C38 M0 Y84 K0

 ◇つよい黄緑〈JIS系統色名〉
 ◇出たばかりの草や木の若芽の色。

〈関連色名〉
◎萌葱色(もえぎいろ)
 マンセル:5.5G 3/5
    RGB値:#00533E
     CMYK:C80 M0 Y65 K50

 ◇暗い緑〈JIS系統色名〉
 ◇青色がかった緑色。ネギ(葱)の萌え出る色。
  「萌黄」が「浅葱色」に影響されてできた当て字。
  「浅葱色」(あさぎいろ)は〔あざやかな緑みの青〕で別の色。

             ◆ ◇ ◆

 「萌黄」と「萌葱色」をJISでは分けていますが、
 普通は「萌葱色」も「萌黄」のような強い黄緑色をさすようです。

             ◆ ◇ ◆

《萌黄色の新芽》

もともと「もえぎ」とは「萌え木」と書き、若芽の萌え出た木を指しました。
色の名前も「萌木」と書くのが本来のようですが、
今は「萌黄」と書くのが一般的です。

             ◆ ◇ ◆

オオイヌフグリやナズナの花が咲きました。
東海地方では、来週には桜が開花しそうです。

冬に葉を落とした木々も、若芽が萌(きざ)し始めています。
激しい雨と風が吹くたび、春が近づいています。

             ◆ ◇ ◆

    石走る 垂水の上の 早蕨の

         萌え出づる春に なりにけるかも

    (いわばしる たるみのうえの さわらびの
        もえいづるはるに なりにけるかも)

     〔万葉集・巻8・1418/志貴王子〕

◆ごあいさつ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥

 こんにちは。マガジンの登録ありがとうございます。

◆参考文献 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥

『新版 色の手帖』永田泰弘:監修(小学館)
『色々な色』ネイチャー・プロ(光琳社出版)※現在は角川書店より刊行
『日本の傳統色 その色名と色調』長崎盛輝(青幻舎)ほか

◆おまけ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥

最近買った色彩関係参考文献。

◇『色の名前で読み解く日本史』750円
 中江克己(青春出版社プレイブックス)
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/441304049X/dearbooks-22

日本の伝統色名と、それにまつわる歴史的な逸話や染料の話を解説しています。
興味深い話を手際よくまとめてあり、読んでためになります。
色を季節ごとに分類した読みやすい構成です。
手に取りやすい新書サイズで、巻頭に美しいカラーの色見本が載っています。

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[2003/10/14]
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