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『彩識風信』 第18号《臙脂》
……………………………………………………………2003/03/04発行………
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◆いろことば(16) 《臙脂…えんじ》‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
◇ 色見本 ◇
マンセル:4R 4/11
RGB値:#AD3140
CMYK:C0 M80 Y52 K30
◇つよい赤〈JIS系統色名〉
◇黒みを帯びた赤色。生臙脂(しようえんじ)で染めた色。
古代中国にあった燕(えん)の地に由来する染料から名づけられる。
臙脂の「脂」は脂粉(しふん)の「脂」(化粧用の紅)のこと。
「烟子」「烟紫」「烟支」「焉支」「燕支」「燕脂」などとも書きます。
◆ ◇ ◆
臙脂の染料は植物性と動物性がありました。
正臙脂(しようえんじ)は植物性。紅花(べにばな)から製します。
生臙脂(しようえんじ)は動物性。インドやメキシコの熱帯植物に寄生
する、ある種の小さな虫(貝殻虫)の分泌液・死骸から作られます。
臙脂は貴重な染料のため、身分の高い人間しか着ることができない色でした。
コチニールレッド、カーマイン(カーミン)、クリムゾン・レーキは、
生臙脂(しようえんじ)と同じく虫から作られた染料の色です。
明治時代は洋紅(ようこう)と呼ばれました。
明治以降は化学合成染料が使われ、臙脂色が一般に普及します。
◆ ◇ ◆
《えんじ色のリボン》
学校の制服のアクセントとして、
リボンやネクタイやスカーフにによく使われる色です。
学校や学年によっては、
体操服のジャージの上下もえんじ色というケースもあります。
◆ ◇ ◆
♪ みんな卒業してゆく一人一人 ためらう心を箱に入れて
結んだリボンを すぐにほどくの 何故なの
「卒業」(歌:沢田聖子/作詞:三浦徳子/作曲:加藤和彦)
◆ごあいさつ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
こんにちは。マガジンの登録ありがとうございます。
◆ ◇ ◆
小学校の給食の時間に校内放送で「ピコットさん」という歌が
しばしばかかっていました。
おそらく学校の放送室に置いてあったレコードを、やる気のない放送委員が
適当にかけていたのでしょう。学校以外ではこの歌を聴いた覚えはありません。
20年以上経ってから子ども向けの歌の本を読んで、
「ピコットさん」の正しい歌詞を初めて知りました。
ところがそれは、私の記憶とは異なりました。
私が覚えていた歌詞はこうです。
♪ ピコットさんが ピコットさんが やってくる
おはよう こんにちは こんばんは さようなら
ピコピコピコッと ピコットさんが やってくる
うろ覚えの部分を脳内で勝手に補完してしまったようです。
もっとも、本来の歌詞もわりとナンセンスです。
ピコットさんって、妖精さん?
◆参考文献 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
『新版 色の手帖』永田泰弘:監修(小学館)
『色々な色』ネイチャー・プロ(光琳社出版)※現在は角川書店より刊行
『日本の傳統色 その色名と色調』長崎盛輝(青幻舎)ほか
◆おまけ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
「ピコットさん」の正しい歌詞は、以下の本で確認できます(楽譜付き)。
◇『こどものうた〜童謡と唱歌〜』野ばら社
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/488986315X/dearbooks-22
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