メールマガジン「彩識風信」バックナンバー〈016〉

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               『彩識風信』 第16号《セピア色》
 ……………………………………………………………2003/02/18発行………
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◆いろことば(14) 《セピア色…sepia》‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
 ◇ 色見本 ◇
 マンセル:10YR 2.5/2
    RGB値:#483C2C
     CMYK:C0 M36 Y60 K70

 ◇ごく暗い赤みの黄〈JIS系統色名〉
 ◇黒褐色。黒茶色。暗褐色。セピヤ。
  イカ(烏賊)の墨から作った絵の具の色。水彩画に用いる。
  【sepia】はギリシア語の「甲烏賊」に由来。

             ◆ ◇ ◆

《セピア色の写真》

古い白黒写真がセピア色になるわけではありません。
何十年も経つと、地の白い部分が黄ばんだり黒が色褪せて薄くなりますが、
セピア色とはちょっと違います。

百年位前に、単色写真(モノクロ写真)を暗褐色の濃淡で印画するのが
流行った時代がありました。
セピア色の写真や絵はがきは、最初からああいう色に印画、印刷したのです。

セピアの絵の具で描かれた絵は、いい感じに年月を経た印象を見る人に与えます。
あの色に郷愁を感じるのは古くルネサンス時代から知られている効果だそうです。

〈セピア色した映画が好き〉
という歌もありますが、白黒映画も年月が経ってもセピア色にはなりません。

 ※「哀愁のカサブランカ」
 (歌:郷ひろみ/作詞曲:B.Higgins/S.Limbo/J.Healy/日本語詞:山川啓介 )

カラー映画の中にモノクロ映画を挿入するとき、セピア色に変換する手法が
よく使われます。白黒より見た目が柔らかく自然に古びたように感じるため、
白黒映画が色褪せるとセピア色になると思い込みがちなのです。

過ぎ去った思い出は、目の前の現実より美しく見えます。
人は、自分の頭の中で記憶の場面をセピア色に変換できる能力を持ち合わせて
いるようです。

◆ごあいさつ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥

 こんにちは。マガジンの登録ありがとうございます。

             ◆ ◇ ◆

 某三角窓口の続き。

 筑摩書房から、応募者全員プレゼントの「月のノオト」が届きました。
 2月12日にクロネコヤマトのメール便で送られてきました。
 予想以上に立派な造りで、何を書こうか迷っています。
 2月中に、HPに詳細アップします。

◆参考文献 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥

『新版 色の手帖』永田泰弘:監修(小学館)
『色々な色』ネイチャー・プロ(光琳社出版)※現在は角川書店より刊行
『日本の傳統色 その色名と色調』長崎盛輝(青幻舎)ほか

◆おまけ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥

上で紹介した曲が収録されたCDは以下から購入できます。

◇「哀愁のカサブランカ」郷ひろみ
 『MOST LOVED HITS OF HIROMI GO VOL.2 〜Cool〜』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B00005L9L1/dearbooks-22

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[2003/10/14]
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