メールマガジン「彩識風信」バックナンバー〈012〉

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               『彩識風信』 第12号《群青色》
 ……………………………………………………………2003/01/21発行………
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◆いろことば(10) 《群青色…ぐんじょういろ》‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
 マンセル:7.5PB 3.5/11
    RGB値:#384D98
     CMYK:C75 M58 Y0 K0

 ◇こい紫みの青〈JIS系統色名〉
 ◇かすかに紫味をふくんだ明るい青。
  瑠璃色よりは少し薄い青。
  鉱物性の顔料である岩群青(いわぐんじょう)による色。

  濃い群青色を紺青(こんじょう)、
  薄い群青色を百群(びゃくぐん)と呼びます。

             ◆ ◇ ◆

《群青色の空》

空や海のように広々として澄んだ青色を表現するのによく使われます。

             ◆ ◇ ◆

群青色に相当する色に「ウルトラマリン」があります。
JIS規格ではウルトラマリンブルーと群青色は
同じマンセル値を与えられています。

ウルトラマリンは鉱物のラピスラズリ(lapis lazuli/青金石・せいきんせき)
の色です。ラピスラズリの語源は、ラテン語で「石」を意味する「ラピス 
lapis」と、ペルシャ語で「青い」という意味の「ラズワード lazhward」で、
合わせて「青い石」という意味です。

群青色ももとはラピスラズリの色を指しました。
日本においてはラピスラズリが高価なため、絵画工芸であざやか青色を出すの
に岩群青(藍銅鉱・アズライト)を顔料に使うようになりました。

ウルトラマリンにはラテン語で「海を越えて伝わった」という意味があります。
英語では ultramarine、
ドイツ語で ultramarin、、
フランス語では outremer(直訳すると「海外」)。

古来ヨーロッパでは、アフガニスタンなどで産する天然ラピスラズリを
輸入していましたが、
1828年、ドイツでウルトラマリンの合成法が発見されました。
現在絵の具などで使われているウルトラマリンは合成品がほとんどです。

もとは「海を越えて遠くから来た鉱石」が偶然に青色だったのですが、
名前に「海」が入るので、海の青さを連想させます。

◆ごあいさつ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥

 こんにちは。マガジンの登録ありがとうございます。

             ◆ ◇ ◆

無印良品のアルミ軸万年筆(1,100円)に、ロットリングやウォーターマン、
ペリカン、モンブランあたりのインクカートリッジが使えると知り、
ロットリング社(ドイツ)のインクカートリッジ(6個入250円)の
ウルトラマリンを買いました。

早速ためし書きをしましたが、私の知っているウルトラマリンと色が違います。
これだけ鮮やかな紫色、日本人ならすみれ色と呼びます。
ドイツではこれがウルトラマリンなのか、と頭を抱えました。

ネットで検索して、万年筆のインクの色を分類しているサイトを見つけました。
ロットリング社のインクでは、この紫色がウルトラマリンで正しいようです。
時間が経つとロイヤルブルーっぽい色になるらしいです。
説明文が英語なのでちょっと希望を含めて和訳しましたが。

時間が経つのを待てないので、次にロイヤルブルー(ドイツ語では
ケーニヒスブラオ)を買いました。
ウルトラマリンよりは青いけど、まだ青紫の範疇です。
書き心地はいいのですが、私の希望より紫っぽいのが気になります。

今度はモンブラン社(ドイツ)のブルーブラックのインクカートリッジ
(6個入400円)を買いました。
少々インク濃度が薄いけど、藍色っぽい落ち着いた色で気に入りました。

そういう訳で現在、無印良品の万年筆を三本も所有しています。
手書きはメモかハガキぐらいしか書かないのに。猫に小判状態。

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[2003/10/14]
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