メールマガジン「彩識風信」バックナンバー〈007〉

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               『彩識風信』 第7号《はしばみ色》
 ……………………………………………………………2002/12/03発行………
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◆いろことば(6) 《榛色…はしばみいろ》‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
 ◇ 色見本 ◇
 マンセル:7.5YR 5.5/6.5
    RGB値:#AB7941
     CMYK:C0 M40 Y65 K30

 ◇くすんだ赤みの黄。黄色がかった薄茶色。ハシバミの実の色。
  ヘーゼル(ヘイゼル)、ヘーゼルカラー、ヘーゼルブラウンとも言います。
  日本古来の色名ではなく、明治以降「ヘーゼル」の訳語として作られた
  言葉のようです。

  ハシバミ(榛)はカバノキ科の落葉低木。実はドングリ状で食用。
  日本でも自生しています。

  同属のセイヨウハシバミはカバノキ科の落葉高木。
  実をヘーゼルナッツ(hazelnut)と呼び、地中海地方・北米などでは食用
  として栽培されます。煎って洋酒のつまみ、デザート、菓子の材料などに
  します。

  最近ではヘーゼルナッツ入りチョコレートがスーパーなどで簡単に
  買えます。マカダミアナッツみたいな食感で、風味があります。

             ◆ ◇ ◆

《はしばみ色の瞳》

欧米では薄茶色の瞳を形容するのによく使う言葉です。

             ◆ ◇ ◆

個人的には、もう少し緑っぽい茶色だと思っていました。

そう思ったきっかけは『子ねこ』(保育社カラーブックス)という本でした。
山崎哲(やまざき・てつ)さんが写真撮影、
廣田[靑見]子(ひろた・せいこ)さんがエッセイを書いた猫の写真集です。
※[靑見]で漢字1文字です

廣田さんが猫の専門家に目の色を「人間にしておくのは惜しいくらい」と誉められ
た話を書いています。猫のアビシニアンなら理想的な目の色で、はしばみ色、
ヘイゼルカラーと言うのだそうです。

彼女は純粋日本人ですが、瞳の色が「緑がかった薄茶色」だそうです。
彼女の友人によると、
「明るい場所では金色っぽく見える」
「怒ると少し薄くなって透ってくる」
と言われるらしいです。

あと、鷺沢萠さんの小説「ユーロビートじゃ踊れない」の中で
主人公の容姿が次のように描写されています。

「顔立ちは純粋な日本人といっても通らないことはない。瞳の色は薄い茶色と
はしばみ色の中間くらいの曖昧な色だけど、怒ったり興奮したりするとグリー
ンが濃くなる」

そういうきれいな目の色に憧れて、昔書いた小説のキャラクター(日本人)に
はしばみ色の瞳という設定をつけたこともありました。
若かったですね。

◆ごあいさつ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥

 こんにちは。マガジンの登録ありがとうございます。

             ◆ ◇ ◆

パソコンで表示できない漢字が出てきました。
[靑見]で漢字1文字。
私は昔、印刷所で写植文字打っていた人なので、不必要にJIS外字を使われる
と作業が増えるので困ります。特に時間が差し迫っているときには。
先祖代々の苗字とか、人名に使う漢字が規制がされる前に親がつけた名前なら
仕方ないですけど、今の若い人が無理に難しい漢字を使ってると泣けます。
地名などは常用漢字で勘弁してください。

             ◆ ◇ ◆

iモード版のホームページを少し整理しました。
『彩識風信』の一部をiモードで見られるようにしていきます。
PC版もこれから手を加えたいと思っています。

◆おまけ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥

上で紹介した本は以下から購入できます。

◇「ユーロビートじゃ踊れない」収録
 『少年たちの終わらない夜』鷺沢萠(河出文庫)
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4309403778/dearbooks-22

◇『子ねこ』(保育社カラーブックス584)は絶版です。
 廣田[靑見]子(ひろた・せいこ)・山崎哲(やまざき・てつ):共著
 ※[靑見]で漢字1文字です。
 ※↑が?に文字化けしている方へ。
  ?の部分は「青」の旧字(下が「円」)です。

ちなみに廣田[靑見]子さんは、今ではハーブ研究家、ナチュラリストとして
有名な方です。
ネットでは「広田せい子」と表記される場合が多いようです。

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[2003/10/14]
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