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尺貫法を使った慣用句・語句

長さ・距離 (尺+寸
容積・体積
質量・重さ

長さ・距離

尺+寸

《尺》


◇尺を打つ・尺を取る
ものさしで長さをはかる。

◇尺寸(しゃくすん)
ごくわずかばかりのこと。もと、一尺や一寸の意。

◇尺の牛(しゃくのうし)
体高四尺の牛。
鬣(たてがみ)の下端から垂直に前脚の地につく所までを量り、四尺を尺といい、それより以上を何寸という。尺五寸は即ち四尺五寸。

◇尺一木綿(しゃくいちもめん)
輸出向けの幅一尺一寸の白木綿。

◇尺三木綿(しゃくさんもめん)
幅一尺三寸の厚地の白木綿。愛知・奈良などから産出。

◇三尺の秋水(さんじゃくのしゅうすい)
長さ三尺(約90cm)ほどの、とぎすました長刀。

◇三尺下がって師の影を踏まず(さんじゃくさがってしのかげをふまず)
師について歩く場合、弟子は師の影を踏んではならない。
目上の人に対して礼儀を忘れないようにしろという戒め。

◇三尺の童子(さんじゃくのどうじ)
身のたけ三尺ほどの子供。すなわち、幼児。また、無知な者にたとえる。
「三尺の童子にも判る道理」…子供にもわかる当たり前のこと。

◇三尺店(さんじゃくだな)
小さい家。
間口(まぐち/土地・家屋などの前面の幅)が三尺(約90cm)ばかりの狭い店の意。

◇三尺高し(さんじゃくたかし)
磔(はりつけ)の刑に処せられるさま。
磔柱の高さが頭上三尺ほどであるからいう。

◇三尺手拭(さんじゃくてぬぐい)
長さ鯨尺(くじらじやく)三尺(約113.6cm)ばかりの木綿の布。
鉢巻・頬かぶり・置手拭・腰帯などに用いた。

◇三尺帯(さんじゃくおび)
三尺手拭を帯がわりに締めたもの。職人用。
後、もっと長くして子供用などにした。
現代では子供用の兵児帯の呼称。

◇三尺頭巾(さんじゃくずきん)
三尺手拭で頬かぶりしたもの。三尺帽子。

◇五尺の身(ごしゃくのみ)
(成人男子の身長を五尺、約150cmと見立てて)人ひとり。男一匹。

◇五尺の童子(ごしゃくのどうじ)
12〜13歳の子供。また、広く子供をいう。古代中国で、1尺を2歳半と計算したことによる。[孟子滕文公上]

◇六尺棒(ろくしゃくぼう)
(1) 樫(かし)などでつくった六尺(約1.8m)の棒。罪人を捕える時、防御などに用いる。
(2) 天秤棒(てんびんぼう)の別称。

◇陸尺・六尺(ろくしゃく)
(「力者(りきしや)」の訛という)
力仕事や雑役に従う人夫。かごかき人足や掃除夫・賄方・使い走りなどに従事した下男。

◇陸尺裹・六尺裹(ろくしゃくづつみ)
かごかきなどのする鉢巻または頬かぶり。

◇六尺帯(ろくしゃくおび)
長さ六尺(約2.3m)の兵児帯(へこおび)。

◇六尺袖(ろくしゃくそで)
(両袖に用いる布の長さが六尺になるからという)
袂(たもと)の長さが一尺五寸の大振袖。

◇六尺褌(ろくしゃくふんどし)
晒木綿(さらしもめん)六尺(約2.3m)を腰に巻きつける男の下帯。

◇尺八(しゃくはち)
(1) 日本の管楽器。竹の、根に近い部分で作った縦笛。
  長さ一尺八寸(約55cm)のものが標準。前に四つ、後ろに一つ穴がある。
  奈良〜平安時代に雅楽で用いられた古代尺八(雅楽尺八)、近世初頭に武士や庶民に愛好された一節切(ヒトヨギリ)、江戸時代に虚無僧が吹奏した普化(フケ)尺八の3種に大別され、単に尺八というときは普化尺八をさす。
(2) 書画をかく紙・絹などで、幅が一尺八寸のもの。

《寸》

◇一寸先は闇
ちょっと先のことも全く予知できないことのたとえ。

◇一寸戸(いっすんど)
戸障子をしめるのに、ぴったりしめず、不作法にいくらかしめ残すこと。
また、身分のいやしいもの。下衆(げす)。
(「下衆の一寸、鈍馬(のろま)の三寸、馬鹿の明け放し」などと戸のしめかたによって品性を定めるのにいう) 

◇一寸法師(いっすんぼうし)
現実の世界には見られない、背の低い人。小人。侏儒(しゅじゅ)。
〔室町時代の通俗短編小説集『御伽草子(オトギゾウシ)』の主人公の名に基づく〕

◇一寸やらず(いっすんやらず)
(一寸も動かさないの意)
きびしく見張りをしていること。少しも見のがさないこと。

◇一寸試し(いっすんだめし)
ずたずたにためし斬りにすること。一分試し。

◇一寸足(いっすんあし)
小股(こまた)に歩くこと。きざみあし。

◇一寸板(いっすんいた)
厚さ一寸の板。実際は2.5cm。
▽「一寸下は地獄」「板子一枚下は地獄」
…薄い板を隔てた船の外は恐ろしい海と隣り合わせ。
 船乗りのくらしの危険なことにいう語。

◇舌先三寸(したさきさんずん)
(三寸ほどの小さい舌の意で、内実の伴わないという気持を含む)
くちさき。弁舌。「舌三寸」とも言う。
「舌先三寸で人をまるめこむ」

◇五寸釘(ごすんくぎ)
大形の釘。長さ曲尺(かねじやく)五寸位(約15cm)の釘。
丑の刻参りで呪いをかけるために藁人形に打ち込む。

◇八寸(はっすん)
八寸〔=約24cm〕寸四方の白木の膳。また、それに盛りつける日本料理。
懐石料理で、酒肴とする口取り。献酒のときの肴を少しずつ盛り合せてまわすのに用いる。鉢肴。八寸台。八寸膳。

《尺+寸》

◇一尺三寸(いっしゃくさんずん)
懐剣の異名。1尺3寸は約40cm。

◇一尺八寸(いっしゃくはっすん)
1尺3寸は約54.5cm。
(1) (延宝・天和以降、かこい女郎の揚代は18匁にきまっていたので)
  かこい女郎の異称。
(2) (その直径を笠の寸法に因んで) 笠雲のこと。
(3) (その寸法から) 鎌柄(かまつか/鎌の持ち手)の異称。

◇一寸の虫にも五分の魂(いっすんのむしにもごぶのたましい)
小さく弱いものにもそれ相応の意地があるから侮りがたいの意。

《丈》

◇白髪三千丈(はくはつさんぜんじょう)
長年の憂いのために頭髪が白くなり伸び放題になったこと。心配ごとや悲しみが積ることの形容。[李白、秋浦歌]
また、誇張した表現の例とされる。

《里》

◇一里塚(いちりづか)
(1) 江戸時代、街道の両側に一里ごとに土を盛り、里程の目標とした塚。
  多くは榎(えのき)や松を植えた。里程標。
(2) 大きな仕事の達成度や区切りとなる目印。
 「正月は冥土の旅の一里塚」

◇五里霧中(ごりむちゅう)
周囲五里四方に深い霧がたちこめて、全く方角が分からないような状態に陥ること。
現在の自分の置かれている状態がわからず、見通しや方針の判断が全くつかないことのたとえ。心が迷って考えの定まらないことにもいう。
[後漢書張楷伝]

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体積・容量

◇一升瓶(いっしょうびん)
茶色、緑色、透明などのガラス製の口の細長い瓶。
高さ約40cm、直径約10cm。1升(約1.8リットル)入ります
日本酒、醤油、食用油などの液体を入れる容器として使われます。
使用済みの一升瓶は回収・洗浄して再利用されます。

◇一升入る壺(いっしょういるつぼ)
「一升入る袋」「一升入る柄杓(ひしやく)」「一升入る瓢(ふくべ)」も同じ意。
一升入りの壺には、一升以上は入らないことから。
(1) ものにはそれぞれに応じた限度があることのたとえ。
(2) 同じものはどこへ出しても同じである、事実は変わらないというたとえ。
 「一升入る壺は海へ入れても一升」

◇一升買い(いっしょうがい)
米などを一升ずつちまちまと買うこと。貧乏な生活のたとえ。

◇一斗缶(いっとかん)
スチール製の缶で、立方体の上面に注ぎ口がついています。
1斗(約18リットル)入ります。
業務用の食用油、塗料、有機溶剤などの大量の液体の容器として使われます。

◇冷汗三斗(れいかんさんと)
「冷汗」は「ひやあせ」のこと。三斗は約54リットル。
冷汗をたくさんかくほど、非常に恥かしい思いをすること。
または、すぎたことをあとで思い返してひどく恐ろしさがこみ上げてくること。

◇千石船(せんごくぶね)
米千石ほどを積載できる大形の和船。
また、大形の和船のこと。千石積(せんごくづみ)。
室町〜戦国時代に出現、1635年江戸幕府は500石以上の大船建造を禁じましたが、1638年荷船に限り解禁、以後幕末まで多数が諸国回船で活躍しました。
装備は帆が21〜26反(たん)ほど、櫓(ろ)が16〜18挺(ちょう)ほどありました。
大体の大きさは,長さ50尺(約15m)、幅25尺(約7.6m)、深さ8〜9尺(約2.4〜2.7m)でした。

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質量・重さ

◇一貫日(いっかんにち)
(一貫は千匁であるところから) 千日。一説に、百日。

◇百目蝋燭(ひゃくめろうそく)
〔「百目」は「百匁」の意〕
一本の重さが375gもある大きな和蝋燭。

◇百貫(ひゃっかん)
(1) 一貫の百倍。375kg。
(2) 目方・金銭の多いこと。また、価値あるものにたとえていう語。
(3) (副詞的に) はるかに。ずっと。

◇口目(くちめ)
200匁を1斤とする計り方。1斤は一般に160匁。「大目(おおめ)」とも言います。

◇釐等具(れいてんぐ)
釐(り)・毫(もう)のようなきわめて少量のものをはかるための秤(はかり)。
明治初年頃まで金銀などの貴重品の重さを精密にはかるのに用いました。
桿は黒檀・紫檀・象牙などで作った。れてぐ。りんだめ。

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[2004/05/01]
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